段差は勢いで越えない!ティッピングレバーを使った安全な段差介助のポイント
車いすで外出すると、歩道の段差や玄関の上がり框など、小さな段差に遭遇することがあります。
段差介助は一見簡単そうに見えますが、誤った方法で介助すると利用者が転倒したり、介助者がバランスを崩したりする危険があります。
安全に段差を乗り越えるためには、ティッピングレバーを正しく使い、基本的な操作方法を身につけておくことが大切です。
❚ ティッピングレバーとは?
ティッピングレバーとは、介助者が足で踏み込み、車いすの前輪(キャスタ)を持ち上げるための補助レバーです。
レバーを利用することで、少ない力でキャスタアップができ、段差を安全に乗り越えやすくなります。
介助者の負担を軽減するだけでなく、利用者にも安心感を与える重要な機能です。

❚ 段差介助でよくある危険な操作
段差介助では、次のような操作が事故につながることがあります。
キャスタが斜めのまま段差へ進む
キャスタが段差に対して斜めを向いていると、引っ掛かりやすくなり、車いすが横へ流れたり転倒したりする危険があります。
手押しハンドルを押し下げる
キャスタアップは、手押しハンドルを下へ押す動作ではありません。
無理に押し下げると、介助者の姿勢が不安定になり、十分にキャスタが持ち上がらないことがあります。
片手で介助する
傘を持ちながら、スマートフォンを操作しながらなど、片手だけで車いすを操作することは非常に危険です。
左右のハンドグリップを両手でしっかり持ち、利用者の安全を最優先に介助しましょう。

❚ キャスタアップの基本
①段差の前で一旦停止する
②段差に対してキャスタを直角にあてる
③周囲の安全を確認する
利用者の姿勢や周囲の歩行者、障害物なども確認してから介助を始めましょう。
④ティッピングレバーへ足を軽く掛ける
⑤足でレバーを支えながらキャスタを浮かせる
⑥手押しハンドルは下へ押すのではなく、後方へ引くようなイメージで操作する
⑦キャスタが段差を越えたら、後輪をゆっくり段差へ進める


この一連の動作をゆっくり行うことで、利用者への衝撃を抑えながら安全に段差を乗り越えられます。
段差介助時の注意点
安全な介助のために、次の点を心掛けましょう。
- ・段差の手前で必ず停止する
・キャスタは段差に対して90°に合わせる
・勢いをつけて段差を越えない
・手押しハンドルは押し下げず、後方へ引くように操作する
・ティッピングレバーを足で支えながら操作する
・傘やスマートフォンを持ちながらなど、片手で介助しない
・利用者へ「段差を越えます」などと声を掛けながら介助する
練習しておきたいこと
段差介助は、いざというときに初めて行うのではなく、安全な場所で事前に練習しておくことが大切です。
例えば、
- ・キャスタアップの感覚を身につける
・ティッピングレバーの操作に慣れる
・小さな段差から練習する
・利用者への声掛けのタイミングを確認する
などを繰り返すことで、実際の介助でも落ち着いて対応しやすくなります。
ワンポイント
ティッピングレバーは、段差を安全に乗り越えるための大切な補助機能です。
正しい介助では、「勢いで越える」のではなく、一度停止し、キャスタの向きを確認したうえで、ティッピングレバーを足で支えながら手押しハンドルを後方へ引くように操作することが重要です。
介助者が正しい操作方法を身につけることで、利用者にとっても安心・安全な外出につながります。