仙骨座りとは?
仙骨座りとは、車いすに座っているうちにお尻が前方へ滑り、骨盤が後ろへ倒れた姿勢のことです。
背中が丸くなり、頭が前に出やすくなるため、本来あるべき安定した座位姿勢が崩れてしまいます。
長時間この姿勢が続くと、身体への負担が大きくなるため注意が必要です。
❚ 発生原因
仙骨座りは、さまざまな要因が重なって起こります。
- ・座面が広すぎる・奥行きが長すぎるなど、車いすのサイズが身体に合っていない
・背もたれやクッションが身体を十分に支えられていない
・足台(フットサポート)の高さが合っていない
・長時間同じ姿勢で座り続けている
・筋力の低下や疲労により、姿勢を維持しにくい
・利用者自身が楽な姿勢を取ろうとして徐々に前滑りしてしまう
これらが重なることで、お尻が前方へ滑り、骨盤が後傾した「仙骨座り」が起こりやすくなります。
❚ 身体への影響
仙骨座りになると、身体のバランスが崩れ、さまざまな不調につながります。
- ・骨盤が後ろに倒れ、背中が丸くなる
・頭部が前に出て首や肩に負担がかかる
・腰痛や肩こりの原因になる
・身体が左右に傾きやすくなる
・車いすの操作性が低下する
・食事や読書などの日常動作がしにくくなる
・移乗時の安定性が低下し、転倒リスクが高まる
姿勢が崩れた状態で過ごす時間が長くなるほど、身体への負担も大きくなります。
❚ 褥瘡(床ずれ)のリスク
仙骨座りでは、お尻が前へ滑ることで仙骨部(お尻の上部)や尾骨周辺に強い圧力と「ずれ(せん断力)」が加わります。
通常の圧力だけでなく、皮膚と骨の間で組織が引っ張られるような力が働くため、血流が悪くなり、褥瘡(床ずれ)が発生しやすくなります。
特に、感覚が低下している方や長時間座位を続ける方では注意が必要です。適切なクッションの使用や定期的な姿勢の見直し、体圧分散を行うことが重要です。
❚ 呼吸・嚥下への影響
仙骨座りでは、背中が丸くなり胸郭が圧迫されるため、肺が十分に広がりにくくなります。
その結果、呼吸が浅くなり、疲れやすさや息苦しさにつながることがあります。
また、頭部が前方へ突き出した姿勢になることで、食べ物や飲み物を飲み込む際の姿勢が不安定になり、嚥下機能にも影響を及ぼす場合があります。
その結果、
- ・むせ込みやすくなる
・飲み込みにくくなる
・誤嚥(食べ物や飲み物が気管に入ること)のリスクが高まる
・食事に時間がかかる
といった問題が起こることがあります。
ワンポイント
仙骨座りは、車いすを身体に合わせて適切に調整することで予防できるケースが少なくありません。
座幅や座奥行き、フットサポートの高さ、クッションの選定などを見直すことで、より安定した座位姿勢につながります。
車いすの選定や調整についてお困りの際は、福祉用具専門相談員などの専門家へご相談ください。